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空き家の0円引き取りとは?無償譲渡の成立要件と登記・税務の確認点

空き家対策 👁️ 2 views
空き家の0円引き取りとは?無償譲渡の成立要件と登記・税務の確認点

空き家を無償で引き取ってもらう場合は、贈与者の意思表示と相手方の受諾で贈与が成立します。書面化、登記による第三者対抗要件、受贈者の贈与税評価・申告など、実務上の確認点を整理します。

📑 目次

スタッフスタッフ相談の場で、空き家を「0円で引き取ってほしい」と言われたら、代金がないので手続きも税金もないように感じてしまいます。

スタッフスタッフ無償で渡すなら、相手が受け取ると言えばすぐ名義変更できる、ということなんですか?

社長社長無償譲渡でも、贈与として成立するための意思表示と受諾が必要です。さらに税金の確認も必要ですので、まず査定を受けて価格を把握するところから始めるのがよいでしょう。

「0円引き取り」は、無償譲渡として整理します

この記事でいう「0円引き取り」は、対価を受けずに空き家を相手方へ渡す無償譲渡として整理します。民法第549条では、贈与者が財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することで、贈与は効力を生ずると定められています。

つまり、渡す側だけが「手放したい」と考えていても足りません。受け取る側が受諾することが、無償譲渡の成立条件です。民法第176条では、物権の設定・移転は当事者の意思表示のみにより効力を生ずると定められています。

ただし、不動産に関する物権変動を第三者に対抗するには登記が必要です。相談者には、当事者間での合意と、第三者に対抗するための登記を分けて説明すると整理しやすくなります。

無償譲渡を検討するときの実務手順

1. まず査定を依頼し、空き家の価格を把握する
2. 不動産情報ライブラリで周辺の取引価格情報を確認する
3. 無償で渡す意思と、相手方の受諾を確認する
4. 書面による贈与として整理する
5. 第三者への対抗に必要な登記を確認する
6. 贈与税の評価と申告を確認する

スタッフスタッフまず査定を受けるのは、0円で渡す前に、物件の価格を把握するためなんですね。

社長社長そのとおりです。不動産情報ライブラリでは、所在地、取引時期、取引価格、土地や建物に関する情報などを確認できます。周辺でどのような取引価格が公表されているかを見る材料になります。

スタッフスタッフよくある失敗は、口頭で「譲ります」「受けます」と決めたら、それで終わりにしてしまうことですか?

社長社長その点は注意が必要です。民法第550条では、書面によらない贈与は各当事者が解除できる一方、履行が終わった部分は解除できないと定められています。贈与の成立と、書面によらない贈与の解除の扱いを混同すると、ここで止まってしまう可能性があります。

無償でも、受け取る側には贈与税の確認が必要です

土地・家屋を無償で名義変更した場合、国税庁は、原則として新たな名義人がその財産を贈与により取得したものとして扱うと案内しています。無償だから評価が不要になるわけではなく、贈与を受けた時の時価で評価することが原則です。

贈与税の計算では、土地は路線価方式または倍率方式、家屋は原則として固定資産税評価額に1.0を乗じて評価すると案内されています。暦年課税では、その年に受けた贈与財産の価額の合計から基礎控除額110万円を控除し、続柄や受贈者の年齢に応じた一般税率または特例税率で税額を計算します。

法人へ贈与する場合は、所得税法第59条第1項第1号により、贈与者がその時の価額に相当する金額で譲渡したものとみなして、譲渡所得を計算する扱いが定められています。相手方が法人である相談では、この点を早い段階で確認します。

また、贈与により取得した土地・建物を受贈者が後に売却する場合、取得費は原則として贈与者の購入代金・購入手数料等を基に計算し、取得時期も贈与者の取得時期を引き継ぐと国税庁は案内しています。

贈与税申告の確認時期

贈与を受けた年
贈与を受けた土地・家屋の評価を確認する
翌年2月1日から3月15日まで
贈与税の申告書を原則として提出する期間
期限後
原則として加算税および延滞税がかかる

✅ 無償譲渡の相談で確認するチェックリスト

  • まず査定を依頼して物件価格を把握したか
  • 相手方が無償譲渡を受諾しているか
  • 書面による贈与として整理する予定か
  • 第三者への対抗に必要な登記を確認したか
  • 土地・家屋の贈与税評価を確認したか
  • 贈与税の申告期間を確認したか
  • 相手方が法人である場合の扱いを確認したか

まず査定から、無償譲渡の判断を整えます

まとめると、空き家の「0円引き取り」は、無償で財産を与える意思表示と相手方の受諾によって成立する贈与として整理できます。ただし、書面によらない贈与には解除の定めがあり、不動産を第三者に対抗するには登記が必要です。

実務者として押さえるべきは、無償であっても受贈者側では贈与税の評価と申告を確認すること、相手方が法人の場合には贈与者側の譲渡所得の扱いも確認することです。その前提となる価格の把握のため、まず査定を受け、取引価格情報も確認する順番で案内しましょう。

ご不明な点は、無料相談で個別にお答えしています。お気軽にご相談ください。

出典: e-Gov法令検索官公庁(keisan.nta.go.jp)国税庁

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✍️ 執筆者

小野 海士 (宅地建物取引士)

不動産実務15年