実家じまいの前に知る、解体費用と更地にしない売却の選択肢
古い実家を手放す際、構造・敷地条件・残置物・石綿調査などで変わる解体費用を整理します。更地にした後は、1月1日時点の状況により住宅用地特例が適用されないことも。解体せず売る選択肢も含め、現地確認を前提に相談先を考えます。税務等の詳細は専門家にご確認ください。
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スタッフ実家が古いと、「売るなら先に更地にしないと」と考える方が多いですよね。解体費用がいくらになるのか、現地を見る前から不安になりそうです。
スタッフ相談の場では、床面積が80㎡以上かどうかや、建物内に家具・家電が残っているかも確認が必要になります。手続きや工事の条件が関わるためです。
社長その通りです。ただし、古い建物があるからといって、売主が必ず先に解体しなければならないわけではありません。まずは解体する場合と、建物を残して売る場合を並べて整理しましょう。
解体費用は、現地を見ないと分かりません
解体費用について、全国共通の根拠として使える構造別・規模別・地域別の相場額は確認できませんでした。そのため、この記事では金額の幅を示しません。建物の構造、規模、立地条件、重機や廃材の搬出経路、付帯工作物、残置物、有害物質の有無を、現地確認の際に一つずつ確認して見積もることが大切です。
解体工事では、発注者が構造図・設備図を含む設計図書、増改築記録、点検記録などを可能な限り施工者へ提供し、情報が少ない場合には必要な事前調査を行うことが示されています。施工者も設計図書などを把握し、各構造部分などを目視で確認します。工事の途中で想定外の構造・設備などが判明した場合には、工事を一時停止して施工計画の修正を検討することとされています。
また、建築物などの解体・改修工事では、規模にかかわらず、対象部分の全材料について石綿含有の有無の事前調査が必要です。原則として、設計図書などによる調査と目視調査の双方を行います。石綿を含む可能性の確認や除去などに必要な費用は、発注者が適正に負担し、施工業者が法令を守れる工期や作業方法などの発注条件に配慮することが求められています。
近隣への対応、道路に関する対応その他の手続きは、自治体の案内、工事内容、現地の事情によって確認が必要です。「解体する」と決める前に、現地確認と見積もりの前提条件をそろえることが、後からの行き違いを減らす入口になります。
解体の見積もり前に確認する項目
| 確認する項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 建物 | 構造、規模、設計図書、増改築記録、点検記録 |
| 現地条件 | 立地条件、重機や廃材の搬出経路、付帯工作物 |
| 建物内 | 家具・家電などの残置物 |
| 有害物質 | 石綿含有の有無に関する事前調査 |
| 工事対応 | 分別解体、届出、近隣対応など必要な対応 |
更地にする前に、建物を残して売る道も確認する
売却では、建物付きで引き渡すのか、更地で引き渡すのかを、先に整理します。どちらを選ぶべきか、解体費用をどちらが負担するかについて、全国一律の法定ルールは確認できません。物件の状況、売買契約、当事者間の合意によるためです。
建物付きで売却する場合は、引渡し時の建物の状態、残置物、境界、越境、解体の負担をどう扱うかを、契約条件に反映することが重要です。土地の状況調査項目としては、境界確定の状況、境界紛争の有無、越境物の有無・状況、越境是正の方法・期間・費用などが例示されています。
既存住宅には、宅地建物取引業者が買い取って再販する買取再販等という流通形態があります。当社は、解体せず既存建物を活用するリフォーム再販を行っているため、売主が事前に解体費用を負担せずに売却を検討する選択肢があります。解体への対応も可能です。
宅地建物取引業者が関与する既存住宅取引では、建物状況調査の結果の概要が重要事項説明宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。の対象となる場合があります。ただし、建物状況調査には、瑕疵の有無を判定するものではないなどの限界も示されています。建物の状態を確認しつつ、何をどの状態で引き渡すのかを個別に相談しましょう。
迷ったときの確認手順
スタッフ固定資産税・都市計画税も気になります。解体したら、土地の扱いはすぐ変わるのでしょうか。
社長住宅用地の特例は、毎年1月1日現在で住宅の敷地となっている土地に適用されます。東京都主税局の案内では、小規模住宅用地は住宅1戸当たり200㎡まで、固定資産税の課税標準が価格の6分の1、都市計画税が価格の3分の1とされています。
スタッフでは、住宅を取り壊して1月1日に住宅の敷地でなければ、特例の対象ではなくなるのですね。
社長原則としてその扱いですが、建替えで一定の要件を満たす場合には特例が継続される取扱いもあります。具体的な手続きや運用は土地所在地の自治体に確認してください。税務や契約の詳細も、宅地建物取引士、司法書士、税理士などの専門家へ確認するのが安心です。
スタッフよくある失敗は、解体を急いで決めてから、引渡し条件や固定資産税・都市計画税の確認が後になることですね。
社長そうです。更地にすること自体が目的になり、建物を残して売る選択肢や契約条件の整理が抜けてしまうために起こります。先に「何を、どの状態で引き渡すか」を確認しましょう。
まずは「解体ありき」にしないことから
まとめると、解体費用は建物や現地の確認事項、残置物、石綿含有の有無などを踏まえ、現地を見ないと分かりません。一定規模以上の解体工事では分別解体等や届出が関わり、石綿については規模にかかわらず事前調査が必要です。
固定資産税・都市計画税の住宅用地特例は、毎年1月1日の土地の状況が関係します。取り壊しの時期を含め、土地所在地の自治体に確認してから判断しましょう。
建物付きで売る場合も、更地で売る場合も、引渡し状態、解体負担、残置物、境界、越境などを契約条件として整理する必要があります。解体せずに既存建物を活用する売却の選択肢も含め、個別の状況に合わせて検討することが大切です。ご不明な点は、無料相談で個別にお答えしています。お気軽にご相談ください。
出典: 国土交通省 / 環境省 / 官公庁(ishiwata.mhlw.go.jp)