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宅地造成等規制法とは?規制区域・工事許可と届出を重説解説

重要事項説明書 解説シリーズ 👁️ 701 views
宅地造成等規制法とは?規制区域・工事許可と届出を重説解説

旧宅地造成等規制法を改正した盛土規制法について、規制区域の種類、許可・届出の対象となる工事、完了検査を整理。重説では区域図で所在地を確認し、許可書・届出・検査済証など工事履歴を確認する実務上の要点を解説します。

📑 目次

スタッフミナさん売却のために重要事項説明書宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。を見たとき、盛土に関する規制区域かどうかは、どこまで確認すればよいのでしょうか。

スタッフリク家を建てる予定がなくても、盛土や切土の面積が500㎡超かどうかなど、工事の基準が出てくると判断に迷います。

社長タケさんまず所在地を区域図で照合するのが出発点なんだよ。区域内かどうかで、重要事項説明書(重説)で確認する法令上の制限や、工事時の手続が変わる可能性があるんだよね。

宅地造成等規制法から宅地造成及び特定盛土等規制法危険な盛土等による災害を防ぐため、盛土や切土の規制区域を定めた法律。区域内では造成に許可が必要になる場合があります。への移行

現行法の正式名称は、宅地造成及び特定盛土等規制法(通称「盛土規制法」)です。この法律は、宅地造成等規制法を抜本改正する令和4年法律第55号により、2022年5月27日に公布され、2023年5月26日に施行されました。

目的は、宅地造成、特定盛土等又は土石の堆積に伴う崖崩れ・土砂流出による災害を防止し、国民の生命及び財産の保護と公共の福祉への寄与を図ることです。

ここでいう宅地は、農地・採草放牧地・森林および道路、公園、河川その他の公共施設用地以外の土地を指します。また宅地造成は、宅地以外の土地を宅地にするために行う、政令で定める盛土その他の土地の形質変更です。

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規制区域ごとに確認する制限の整理

区域指定の考え方重要事項説明書で確認する制限
宅地造成等工事規制区域災害のおそれが大きく、規制が必要な市街地・市街地となろうとする土地・集落およびその隣接又は近接地区域内の宅地造成工事に関する許可
特定盛土等規制区域地形・渓流・周辺土地利用等から、生命・身体への危害のおそれが特に大きい区域特定盛土等・土石堆積工事の許可・届出等

スタッフリク区域に入っているだけで、すぐに建築や売却ができなくなるということではないのですね。

社長タケさん区域内であることと、具体的な工事が許可や届出の対象になることは分けて確認するんだよ。区域の指定内容と、予定又は実施済みの工事内容を重ねて見る必要があるんだよね。

スタッフミナさん一般の方は、区域名を見ただけで不安になりがちです。所在地と工事内容を順番に確かめればよいのですね。

重要事項説明書を作る前に行う確認手順

1. 対象不動産の所在地を特定し、当該都道府県・指定都市・中核市が公示している区域図や公示図書で、宅地造成等工事規制区域又は特定盛土等規制区域への該当を確認します。個別物件の区域該当は、所在地を特定して最新資料で確認しなければ判断できません。

2. 区域内に該当する場合は、売買・交換等における重説の法令上の制限として、どの許可又は届出が関係するかを確認します。宅地建物取引業法施行令第3条は、宅地又は建物の貸借以外の重要事項説明の対象となる許可として、盛土規制法第12条第1項、第16条第1項、第30条第1項および第35条第1項の許可を定めています。

3. 売却対象地で予定される、又は資料上確認できる盛土・切土・土石の堆積・擁壁に関する工事を整理します。区域内だから許可が必要、又は住宅新築だから不要と一律には判断せず、工事の内容と規模、指定権者の資料を確認します。

4. 許可書、変更に関する資料、完了検査の資料、検査済証の有無を確認します。既存擁壁等について資料が現存するか、個別の擁壁が技術基準に適合するかは、物件と自治体ごとの確認が必要です。

区域内の工事資料を確認する流れ

所在地を最新の公示図書・区域図で照合
区域内で予定又は実施された工事内容を整理
許可又は届出の対象となるかを指定権者の資料で確認
許可を受けた工事は計画変更資料を確認
工事完了後は完了検査申請と検査済証を確認

家を建てる前に見る工事の範囲と許可

宅地造成又は特定盛土等に該当する土地の形質変更には、政令上、盛土により高さ1m超の崖が生じるもの、切土により高さ2m超の崖が生じるもの、盛土・切土を同時にして高さ2m超の崖が生じるものなどの基準があります。崖を生じない盛土で高さ2m超のもの、これら以外で盛土又は切土の面積が500㎡超のものも基準に含まれます。

土石の堆積は、堆積高さが2m超のもの、又はそれ以外で堆積を行う土地の面積が500㎡超のものが政令上の規制対象です。宅地造成等工事規制区域内では、原則として宅地造成、特定盛土等又は土石の堆積に関する工事を着手前に許可申請しなければなりません。

許可審査では、技術基準への適合に加え、工事主の資力・信用、工事施行者の能力、一定の場合の土地権利者全員の同意が要件とされています。特定盛土等規制区域では、一定規模の特定盛土等又は土石の堆積に許可が必要で、許可対象に達しない一定規模の行為には届出の仕組みがあります。

スタッフミナさんよくある失敗は、住宅を新築する予定だと聞いて、そのまま許可の要否まで決めてしまうことでしょうか。

社長タケさんその可能性はあるんだよ。住宅新築そのものが許可対象かは一律に判断できなくて、建築に伴う盛土・切土・擁壁の設置又は除却等が対象行為や規制対象規模に当たるかを確認する必要があるんだよ。ここで止まってしまう方が多いんだよね。

スタッフリク建物の計画だけでなく、土地をどう動かすか、既存擁壁をどう扱うかまで資料で確認するということですね。

届出・変更・完了検査で確認したい資料

宅地造成等工事規制区域の指定時点で区域内において工事中の工事主は、指定の日から21日以内に届出が必要です。また、許可等を受けた者以外が高さ2m超の擁壁又は崖面崩壊防止施設、排水施設若しくは地滑り抑止ぐい等の全部又は一部を除却する工事を行う場合は、着手日の14日前までに届出が必要です。公共施設用地を宅地又は農地等に転用した場合にも、原則として転用日から14日以内の届出が必要です。

許可を受けた工事計画を変更する場合は、原則として変更許可が必要です。一方、工事主・設計者・工事施行者の氏名又は住所、着手予定日又は完了予定日の変更は、軽微な変更として遅滞ない届出の対象です。

許可を受けた宅地造成又は特定盛土等工事が完了したときは、工事主は完了日から4日以内に完了検査を申請します。技術的基準への適合が認められた場合、検査済証が交付されます。都市計画法の開発許可により盛土規制法の許可を受けたものとみなされる工事では、都市計画法上の工事完了届又は検査済証が、盛土規制法上の完了検査申請又は検査済証とみなされます。

区域内の土地所有者・管理者・占有者には、区域指定前の造成を含め、災害が生じないよう土地を常時安全な状態に維持するよう努める義務があります。必要がある場合には、擁壁等の設置又は改造等の勧告・命令の対象となり得ます。無許可工事などは罰則の対象となり得るため、詳細は当該法令を確認してください。

✅ 重要事項説明書の前に確認するチェックリスト

  • 対象不動産の所在地を区域図で照合したか
  • 指定権者の最新の公示図書を確認したか
  • 売買・交換等に関係する制限を確認したか
  • 盛土・切土・土石堆積の予定又は履歴の有無
  • 許可書・変更資料・検査済証の有無
  • 既存擁壁等に関する資料の現存状況

区域名だけで結論を急がず、所在地と資料から確認する

まとめると、宅地造成及び特定盛土等規制法に関する重説では、まず対象不動産が規制区域内に所在するかを、指定権者の最新の公示図書・区域図で確かめることが重要です。その上で、対象となる許可又は届出の制限、造成工事の資料、変更手続、完了検査と検査済証を確認します。

地方公共団体は、条例又は規則により技術基準、規制対象規模、中間検査、定期報告等を強化・付加している例があります。個別物件では、指定権者の最新の区域図・条例・規則・手引を確認してください。ご不明な点は、無料相談で個別にお答えしています。お気軽にご相談ください。

出典: e-Gov法令検索国土交通省

小野海士

この記事を書いた人

小野海士宅地建物取引士株式会社オッティモ 代表取締役

不動産実務15年。東京都荒川区を拠点に、相続・空き家・訳あり物件の買取や売却のご相談を全国対応で手がける。「他社に断られた物件」の相談を数多く受けてきた経験から、難しい不動産の手放し方を分かりやすく解説している。不動産業者向け業務SaaS「anken.」の開発者でもある。

公開日 最終更新

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