借地権付き建物を売る前に確認したい地主承諾と売却の進め方
借地権付き建物の売却では、借地権の種類や契約内容、地主の承諾、名義書換料などの確認が欠かせません。承諾が得られない場合の裁判所許可も含め、権利関係を踏まえた売却の選択肢と実務上の確認点を整理します。
📑 目次
ミナさん相続した建物を売りたいんです。でも、土地は借りていると聞きました。建物と土地で話が2つに分かれるんですか?
リク借地権って何ですか。建物だけを売る話だと思ってたんですけど。
タケさん結論から言うと、まず土地の権利を見よう。借地権は、土地を借りて建物を持つための権利なんだよ。家の鍵が2つある感じだな。建物の話だけで進めないのが大事なんだ。
建物を売りたいのに、土地の話も外せない理由
借地権付き建物とは、借地権を根拠として建物が存在する場合の建物と借地権を指します。借地権には、地上権と土地の賃借権があります。地上権は土地を使う権利です。賃借権は土地を借りる権利です。
売却の場面では、建物だけでなく敷地の権利関係も確認します。国土交通省も、借地権付き建物の売買では建物と敷地の権利関係が重要であり、借地権の内容を説明する取扱いを示しています。
売りにくさは、建物だけの話で済まない点にあります。地域によっては借地権だけが取引の対象になり、別の地域では建物の取引に伴って借地権が取引されます。同じ鍵でも、開け方が地域で違うようなものです。
売れないと言われた物件でも、相談はできます。再建築不可・残置物あり・長年の放置もそのままでどうぞ。相談は無料です。
無料で相談してみる借地権付き建物を売るときの2つの見方
| 選択肢 | 確認すること |
|---|---|
| 借地権のまま売る | 建物と借地権を対象にし、賃借権なら地主の承諾を確認する |
| 底地と同時売却を検討する | 地主側の土地の権利も併せた売却について、地主との話し合いの余地を確認する |
リク順番としては、まず借地契約書を見て、土地を借りる権利の種類を確かめるってことでいいですか?
タケさんその順番でいいんだ。賃借権、土地を借りる権利なら、地主の承諾なしに譲渡はできないんだよ。契約書は、次に進む道を示す地図みたいなもんだ。
ミナさん地主さんが承諾してくれなかったら、もう売れないんですか? お金もどれくらい必要か不安で…。
タケさんそこは見てみないと分からない。ただ、名義書換料、地主の承諾の対価として支払うお金が話題になることはあるんだよね。地域で違うから、決まった金額だと思い込まなくていいんだ。
タケさん地主に不利となるおそれがないのに承諾しない場合は、借地借家法第19条で裁判所の許可を申し立てられる場合がある。ただし、条件や財産上の給付が付くこともあるんだ。
地主への相談前に進める手順
1. 借地契約書を確認します。土地を借りる権利が賃借権か、地上権かを見ます。賃借権と地上権では、承諾に関する扱いが異なり得るためです。
2. 借地権の内容を整理します。建物と敷地の関係を、売却の相談先へ伝えられる状態にします。説明の土台が曖昧だと、話し合いも積み木の土台が揺れるように進みにくくなります。
3. 賃借権であれば、地主の承諾について確認します。地主へ支払う名義書換料は、地主の承諾の対価として扱われています。更新料や名義書換料は地域により異なります。
4. 売却の形を比べます。借地権付き建物として売る形に加え、地主側から底地も併せた売却を持ち掛けられる場合があります。借地権価格と底地価格は密接に関連するため、相互に比較して考えます。
5. 承諾が得られないときは、事情を切り分けます。賃借権の譲渡で、譲受人が借地権を取得しても地主に不利となるおそれがないのに承諾がない場合、裁判所が承諾に代わる許可を出せることがあります。
✅ 地主へ相談する前の確認チェックリスト
- 借地契約書の内容を手元で確認できる状態か
- 土地を借りる権利が賃借権か地上権か
- 売却時の地主の承諾に関する記載があるか
- 名義書換料に関する記載を確認したか
- 借地権の内容を伝える資料がそろっているか
- 地主側の土地の権利も含めて相談するか
承諾を後回しにしないことが、売却の入口になる
よくある失敗は、地主の承諾を確認しないまま、建物の譲渡の話を先に進めることです。建物だけを見れば売却の話に見えるため、土地を借りる権利の確認が後回しになりやすいからです。
賃借権では、地主の承諾なしに譲渡できません。承諾なく第三者に使用・収益させた場合、地主は契約を解除できます。
まとめると、借地権付き建物の売却では、借地権の種類を確認し、地主の承諾と名義書換料を整理したうえで、借地権のまま売る形と底地を併せた売却の可能性を比べます。借地契約書を地図として手元に置き、地主との関係を先に整理することが出発点です。ご不明な点は、無料相談で個別にお答えしています。お気軽にご相談ください。
参考(グラウンディング): 全日本不動産協会 重要事項説明書宅建業者が契約前に、物件や取引条件の重要な事項を宅地建物取引士が書面で説明すること。買主・借主が不利益を受けないための手続きです。(売買編)解説書 / 全日本不動産協会 不動産売買契約書 条項例集(作成時点)
この記事で参照した法令(e-Gov法令検索): 借地借家法
この記事を書いた人
小野海士宅地建物取引士株式会社オッティモ 代表取締役
不動産実務15年。東京都荒川区を拠点に、相続・空き家・訳あり物件の買取や売却のご相談を全国対応で手がける。「他社に断られた物件」の相談を数多く受けてきた経験から、難しい不動産の手放し方を分かりやすく解説している。不動産業者向け業務SaaS「anken.」の開発者でもある。
公開日 最終更新
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